【観劇レポ】ミュージカル『十二国記-月の影 影の海』

大好きな小説『十二国記』。
最初は「あの世界観をミュージカルに?」と懐疑的で観に行くつもりはありませんでした。
でも、ビジュアルが公開された瞬間、気持ちは一変。

原作表紙そのもの。
柚香光さんの陽子の姿に、完全に心を持っていかれました。

この姿を見てしまったら、もう行くしかない。
なんてピッタリなんだろう……!
ここまで自然に「陽子」になる人、他にいないと思う。

宝塚の星組さんは観に行ったことがあるけど
花組さんは観たことがないので、柚香さんの舞台は初めて。

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行くしかない!と思ったものの・・・?!

行くしかない!と思ったもののチケットは取れるのか?!
チケットをとれて一安心したものの。

届いたゲネプロ映像。

……あれ?
ちょっと、微妙……かも?

「許す」のあの場面……歌うの?
セリフの音程が気になる。
独特な音階が続いてない?
楽俊はライオンキング的なビジュアルなのね。
……陽子が二人で一緒に歌うの???

ゲネプロ映像は懐疑的なコメント欄もちらほら。

原作ファンとして、その気持ち、わかるよ……。
でも、行ったら楽しい……よね?
と自分に言い聞かせる。

いざ博多座へ

期待と不安、原作愛ゆえの警戒心を抱えつつ
いざ博多座へ。

お正月仕様の華やかな博多座。

開演30分以上前に到着したけれど、すでにグッズ販売には長蛇の列。
階段を上がり2階席のあたりまで続いてる。

宝塚ファンが多いから……?
博多座はこれで3回目だけど、ここまでグッズ列ができているのは初めて。
その時点で、すでに熱量の高さを感じたよね。

補助席や立ち見席が出るほどの満員御礼。

博多座といえば、ロビーに並ぶ期間限定のスイーツやパンも楽しみのひとつ。

とはいえ、こんなにみんな開演前から並んで食べている光景は初めて見ました。
歌舞伎NEXTのときはスコーン売り場が閑散としていたのに、今回は大繁盛。

そして、辿り着いたこちらの展示。

水禺刀、大事ですよね。
お昼公演だからみんなご飯食べているけど、見た?!
物語の肝なんだから……!
碧双珠を見て、ワンピースの悪魔の実が浮かんだのは私だけでしょうか。

ミュージカル『十二国記-月の影 影の海』開演

客席に入ると、楽器の音が聞こえてきて。
生演奏だとは思っていなかったので、素直に嬉しいポイント。

幕が開きオーケストラの音から、一気に十二国記の世界へ。

二人の陽子:歌唱力とビジュアルの共演(ネタバレあり)

物語は、日本の陽子の加藤梨里香さんから始まります。
やはり歌唱の安定感が抜群。安心して聴ける。

昨年のレ・ミゼラブルのコゼット役でも拝見しましたが、やっぱりお上手。

原作の長い物語を3時間にまとめているので、展開はテンポ良くどんどん進む。
セリフのほとんどが歌なので、「許す」の歌唱も物語の流れの中では自然でした。

十二国の世界に行ってからの陽子は柚香光さん。
立っているだけで十二国記の世界を成立させるビジュアルの説得力。
高音域はまだ挑戦中かな?と感じる場面もありましたが、低音の響きはとても魅力的。

陽子は低音ボイスが似合うし
内面が未熟な少女が王へと脱皮していく過程として
少し危うい歌声も陽子にはあっていたかもしれない。

さて。なぜ陽子が二人必要なのか。
最初はWキャストかと思いきや、そうではなかったので不思議だったのです。

日本の陽子が、十二国記の世界の陽子と舞台上に現れ、
内面の葛藤や成長を歌いながら表現するためでした。

陽子が二人並んで立つという演出はとても新鮮。

ビジュアルと歌の共演。

その他の見どころ

舞台装置の使い方も印象的。
ストリングカーテンを使った演出。
妖魔が後ろから現れたり
ストリングカーテンの回転によって蝕で世界が交わる表現になっていたり。

妖魔との戦闘シーンでは、アクション俳優さんたちの動きのキレも素晴らしかった。

印象に残ったのは蒼猿(玉城裕規さん)。
原作ではとにかく嫌な猿。
あの難しそうな音階の歌が不気味さを表現していて
「きゃらきゃら」という笑い方がハマりすぎている。
ゲネプロの映像より断然良い!!

楽俊(太田基裕さん)はやっぱり可愛い。
なぜWキャスト?と思っていたけれど。
きっとあのパペットに合わせた重心や動きは、かなり身体的負担があるからでは?!
「おいらには三歩♪」で、右足をほたほたほた……と動かすところがお気に入り。
さわりがあるから今はこっちを向くなよの名シーンは違う演出になっておりました。

舒栄(原田真絢さん)の歌唱力も素晴らしく
六太も原作らしさにあふれていました。

ただ、塙麟の肩に乗っている鳥のパペット操作の影の人だけは少し違和感。
遠隔操作とかできたらよかったのにな、と思ってしまいました。

原作へのリスペクトをしっかり感じつつ
キャストの実力が光る舞台だったと思います。

気になった方は、1月10日・11日のアーカイブ付き生配信をぜひ。

ミュージカル『十二国記 ―月の影 影の海―』公式サイト

十二国記 月の影 影の海

原作が好きだからこそ不安だったけれど
観てよかった舞台でした。

おまけ

原作では陽子の後ろ向き具合が延々と続くのが苦手で。
ミュージカルでも「元の世界に帰りたい」とひたすら言っていたけれど
他のことに気を取られすぎたのかあまり気にならなかったな。

内容がぎゅぎゅっとまとめられているから
碧双珠の効能は語られぬまま景麒のツノをぽわぁと治しておりました。
さりげなく剣についていたり、首にかけていたりと碧双珠の位置も変化。

カーテンコールの柚香さんの
十二国記の画集のお衣装と
ふわりと凛とした振る舞いが素敵でした。

十二国記が好きな理由は心に留めておきたい言葉が散りばめられているから。
月の影影の海での一番で締めたいと思います。

「どっちを選んでいいか分からないときは、自分がやるべきほうを選んでおくんだ。そういうときはどっちを選んでも必ずあとで後悔する。同じ後悔をするなら、少しでも軽いほうがいいだろ」


この記事を書いた人
クスリ嫌いな薬剤師
Shizuka

「なにこれ?!」と思った気づきや、「これいいかも!」と感じた知識や「役立つ学び」情報をまとめています。
ヒューマンデザインをベースにした「自分を知ること」や、薬剤師だからこその薬に頼りすぎない心と体の調和を大切にしています。
私自身の好奇心が、誰かの光につながる小さなヒントになればうれしいです。

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