コーヒー焙煎って、もっと静かで香ばしい時間だと思ってた。
でも、違った。
初めてのコーヒー焙煎(独学)は、事件しか起こらなかった。
準備したもの
- 片手鍋(ステンレス)
- 生豆(ナチュラル)
- ガスコンロ
生豆120gをピッキングしてみる(正直、悪い豆がどれかよく分からない)。
片手鍋焙煎ではダイソーの鍋を使う人が多いけど、フッ素加工に腰が引けた私は、いつも使っているステンレス鍋で挑戦。
ステンレスは温度の上がりが遅いけど、一度熱くなると保温が効きすぎるのが要注意ポイント。
目標は8分で1ハゼ、中浅煎りの予定。予感としては…遅れる予感しかしない。
初めてのコーヒー焙煎、開幕
事件①:豆、逃げる。
火をつけて、豆を入れようとした瞬間——
豆をばら撒いた。
始まる前から波乱。拾い集めて再スタート。
なんとも幸先が悪い。
事件②:鍋、落ちそう。
鍋が小さくて五徳から「ガタン!」と落ちそうになる。
鍋底がカセットコンロに対して小さいということは、火加減も難しい。
いろんなことにドキドキして落ち着かない。
腕もすぐにプルプル限界を迎えそうな気しかしない。。
鍋を落ち着いて置けないし、焦げるのは怖い。
いろんな緊張で腕には無駄な力でカチコチだ。
事件③:色、変わらない。
4分経過。チャフ(薄皮)は出てきた。
でも8分過ぎても豆の色が薄い。
少し火を強める。…が、反応なし。
「換気扇の音でハゼ聞こえないのかな?」と思った瞬間、また豆をばら撒く。
動画で見た“蓋を開けて熱を逃がす”タイミングが悪すぎた。
火から外して振った瞬間に、フタを取ってしまい大惨事。
ばらばらばら〜🫘
拾う?止める?どうする?!
もう、笑うしかない。
事件④:チャフの舞。
ウォッシュドの方がチャフは少ないと知ってたのに、
「飲みたい豆を使いたい」という欲に負けてナチュラルを選んだ私。
結果、チャフが舞う。
蓋を開けるたびに、素敵に舞い上がるチャフ地獄。
チャフにまみれながら、10分を超えてもハゼはまだ。
後悔と共に舞うチャフ、散る心。
💥事件⑤:豆が逃げる、再び。
蓋を開けた瞬間、またやらかした。
12分ごろ、豆をばら撒く。3度目の正直?!
「あー…また拾うの?」と思った瞬間。
パチッ!
……ハゼた!!!
拾いながらハゼを聞く。
「拾う?焙煎する?どっち?!」と軽くパニック。
笑いながら泣きたい。
なぜ今なの?!
💥事件⑥:ザル問題。
お気づきでしょうか。
そう、準備したリストに、冷却用のザルがないを。
火を止めて鍋を振りつつ、収めている場所からザルを出す。
豆を冷やすには良いけれど、チャフが落ちない。
大きい網に変えると豆まで落ちていく。
もう心のHPは赤ゲージ。
焦げの香りをどことなく感じたので、焙煎は17分で終了。
色はまばらで薄い豆もあるので不安しかない。
☕️試飲タイム:焙煎直後の一杯
「ふぅ、これで不味かったら立ち上がれない…」
と思いつつ、10gを愛用のタイムモアで挽いてみる。
挽く時の抵抗感で「浅煎り…いや、生焼け??」
と不安になりつつ、粉の香りを嗅ぐと——
あれ、悪くない。
フレンチプレスで淹れてみたら……
悪くないどころか、フローラル。
苦味もなく、ちゃんと飲める。
「豆のポテンシャルを引き出せたか?」と聞かれたら“否”だけど、
“初回としては上出来”だと思う。
焙煎後の余韻と反省
60gくらいで再挑戦したくなるけど、焙煎直後よりも数日後の方が美味しいらしい。
つまり、焙煎の量が少なすぎるとエイジングが楽しめない。悩ましい。
それにしてもガスは暑い。
10月とはいえ30℃の日、じわっと汗を感じる焙煎。
「イワキの手回し焙煎機いいかも?」と思ってたけど、夏のことを考えるとどうかな。
次は慣れているIHで挑戦だ。
今回の学びメモ
- 鍋はもう少し大きめ&安定感を。若しくはミニ五徳の準備。
- 火加減はもう少し強めでも良い。
- チャフは覚悟して挑むか、50度洗いも考慮に入れる。
おわりに
初めての焙煎は、ドタバタで焦りと笑いの連続。
途中、生豆をまとめ買いしたことを激しく後悔したけど、
一口飲んで「なかなか良いぢゃん♡」と気持ちが反転。
「次はもっと上手くやれるかも」
そう思った瞬間、たぶん私は焙煎の沼に半歩足を踏み入れた。
私が目指すのは、家庭料理みたいな焙煎。
完璧じゃなくていい。
“自分が楽しめる一杯”をつくれたら、それで十分。
——そんな、愛しい第一回目の焙煎記録でした。
ここまで読んでくださってありがとうございました。


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